刀と信用は真逆のものだす       「あさが来た」

NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」で、両替商と結婚したヒロインが、新撰組土方歳三からお金を融通するよう迫られた時に発した言葉です。

刀とは

刀は、人間を力で支配し、上下のタテ世界 (世間) に閉じ込める道具。身分 (地位) やお金 (経済)・核 (原子力) など様々な姿に化けながら、私たちの自由と平等を奪いとり、服従を強います。

親鸞が出あった世界

〈 雑行を棄てて本願に帰す 〉――親鸞は二九歳の時、二〇年間修行に励んだ比叡山を下りて、法然上人のもとに身を寄せました。そこで出あったのは、世間とは真逆のヨコ世界(浄土)。刀を棄て、かつ刀に屈しない人々。一人ひとりが信用され、尊びあえる関係だったのでしょう。

共鳴・渇望

この夏、全国各地で多くの老若男女が立ち上がりました。これは、そんな世界への共鳴・渇望。私たちが築く世界の迷いに目覚め、真実の世界に呼び帰された行動といえます。

今日テレビのニュースで、東京の日比谷音楽堂が戦争法案に反対する人でいっぱいになったと見ました。足腰が弱くなったおじいさんやおばあさんが暑い中わざわざ外に出て、震える声で拳を突き上げて、戦争反対を叫んでいる姿を見ました。この七〇年間日本が戦争せずに済んだのは、こういう大人がいたからです。ずっとこうやって闘ってきてくれた人達がいたからです。

そして、戦争の悲惨さを知っているあの人達が、ずっとこのようにやり続けてきたのは、紛れもなくわたしたちのためでした。ここで終わらせるわけにはいかないんです。わたしたちは抵抗を続けていくんです。

武力では平和を保つことができなかったという歴史の反省の上に立ち、憲法九条という新しくて、最も賢明な安全保障のあり方を続けていくんです。わたしは、この国が武力を持たずに平和を保つ新い国家としてのモデルを、国際社会に示し続けることを信じます。偽りの政治は長くは続きません。…新しい時代を始めましょう。…

(7月15日 寺田ともか さん)

刀と真逆な世界が開かれています。世界に待たれています。          合掌

仏暦2398(国際暦2015)年 自坊報恩講を前に

 

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