どんな今日も愛したい

泣き笑いのエピソード

NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の主題歌、秦基博さん作詞「泣き笑いのエピソード」の言葉。

 オレンジのクレヨンで描いた太陽だけじゃ何か足りない気がした

 涙色したブルー  こぼれて  ひろがって ほら いつも通りの空

オレンジ色だけの人生はある?

人生の全てがオレンジ色やバラ色の出来事だけで彩られることはあるのだろうか。そんなことはないとわかっていても、年の初めにオレンジ色やバラ色はようこそ、ブルーはあちらへどうぞ、と手を合わせてしまう。

二つの方法

さて、昭和の時代モーレツな進学塾があった。頭に鉢巻をして勉強、問題を間違えたりすると講師は竹刀でカツを入れる。生徒はそれに対して御礼をいう。塾側も生徒を通わせる保護者も、こういう方法でオレンジ色が導かれると信じていたのだろう。

これと全く異なる方法を展開したのが、この掲示板で「すぐ役立つことは すぐ役立たなくなる」という言葉を紹介した灘校伝説の教師橋本武さん。ムチ打って学ばせるのではなく、生徒が自ら学んでいくための様々な材料・仕掛けを提供していく。結果、この国の各界で活躍する人々を傑出させていった。

この方法を倣いつつ、寺子屋のスパイスを加えて始めるのが三月に新中学1・2年生対象に開塾する「遊学塾」である。

「遊学塾」のスパイス

成績アップという現実的な課題に向き合う一方で、将来の飛躍を念じて二つの味と香りを効かせる。一つは脱皮促進、もう一つは精神面強化だ。

前者に関してはご案内リーフレットで中心的に触れており、ここでは割愛する。後者は、自分自身が中学時代に精神的な苦痛を感じた出来事、〈涙色したブルー〉の経験を四十年以上の年月をかけて熟成させた味を捧げる。

精神的な故郷に帰る

人生において〈涙色したブルー〉は必ずやってくる。ところが、それが理不尽なことであっても、ただ耐え忍ぶことを求めてしまいがちだ。そんな軍隊的発想にさよならしよう。すると、ブルーが〈こぼれて ひろがって ほら〉見つかった、精神的な故郷が。安心できるし、困難を乗りこえていける勇気の源、ここに帰ればいい。

[真宗大谷派指月山西誓寺寺報「ルート8」230号から編集して掲載]

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