沖縄全戦没者追悼式で朗読された詩
六月二十三日、沖縄県糸満市摩文仁の県平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が営まれた。戦後七十七年、復帰五十年となる今年。式では七歳の小学生自作の詩が朗読された。家族で訪れた佐喜真美術館で「沖縄戦の図」(丸木位里・俊 作)を見た思いが表現されている。
ロシアのウクライナ侵攻がきっかけでわが国の軍事力強化が威勢よく語られている。見失われているのが人間の〈こわいをしって〉愚かさ・傲慢さを照らし、頭を垂れること。だから、詩から念仏の声を聞き〈せんそうがこわいから へいわをつかみたい ずっとポケットにいれてもっておく ぜったいおとさないように なくさないように わすれないように〉定められた憲法九条の精神に立ち帰りたい。
こわいをしって、へいわがわかった
徳元穂菜(沖縄市立山内小学校2年生)
びじゅつかんへお出かけ
おじいちゃんや
おばあちゃんも
いっしょに
みんなでお出かけ
うれしいな
こわくてかなしい絵だった
たくさんの人がしんでいた
小さな赤ちゃんや、おかあさん
風ぐるまや
チョウチョの絵もあったけど
とてもかなしい絵だった
おかあさんが、
七十七年前のおきなわの絵だと言った
ほんとうにあったことなのだ
たくさんの人たちがしんでいて
ガイコツもあった
わたしとおなじ年の子どもが
かなしそうに見ている
こわいよ
かなしいよ
かわいそうだよ
せんそうのはんたいはなに?
へいわ?
へいわってなに?
きゅうにこわくなって
おかあさんにくっついた
あたたかくてほっとした
これがへいわなのか
おねえちゃんとけんかした
おかあさんは、二人の話を聞いてくれた そして仲なおり
これがへいわなのかな
せんそうがこわいから
へいわをつかみたい
ずっとポケットにいれてもっておく
ぜったいおとさないように
なくさないように
わすれないように
こわいをしって、へいわがわかった
[真宗大谷派西誓寺寺報「ルート8」247号から転載]
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