奇跡や陶酔邪魔者の排除は、まことの救いにならない

報恩講のお話で紹介された信心七ケ条

本年の報恩講で、講師(佐々本尚さん)は藤原鉄乗師が定められた信心七ケ条を紹介した。藤原師は明治十二年新潟県の農家生まれ、若い時に曹洞宗のお寺に入るが、大学在学中に真宗大谷派に転じ、金沢市浄秀寺で出家した。大正五年に近隣の僧侶仲間と愚禿社を結成し、雑誌を刊行、自給自足生活の中で布教活動を行った。昭和の時代に亘って仲間である高光大船、暁烏敏と共に加賀三羽烏と呼ばれて多くの門徒さんに親しまれた僧侶である。(昭和五十年没)

信心七ヶ条は、生涯をかけて宗教的救いとは何か、真剣に問い続けた僧侶の血肉が言葉になったかのような深重さを感じる。

信心七ケ条     藤原鉄乗

我々は救済を「奇跡」に求めることはできない。

我々は救済を「陶酔」に求めることはできない。

我々は救済を「心の状態」に求めることはできない。

我々は救済を「不足物の充足」に求めることはできない。

我々は救済を「邪魔者の除去」に求めることはできない。

我々は救済を「精神的欠陥の改善」に求めることはできない。

我々は救済を「社会の改良や革命」に求めることはできない。

[真宗大谷派西誓寺寺報「ルート8」263号から転載]

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